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オッペンハイマーのhiのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.2
冒頭など流石すぎるクオリティの高さにクリストファー・ノーラン改めて偉大な映画監督だと思い、キリアン・マーフィーも含めて凄すぎると思いながら見出したものの、展開わかっているのに15日の実験成功のシーン辺りから鳥肌が止まらなくなり血の気が引いて具合が悪くなった。

原爆で22万人、日本軍は全部で推定数百万人。全ての戦争でもそれ以外でも想像を絶する人の死について考えると、知らないといけないことだし、通っていた小学校の方針で散々学んだことだけど、やっぱり気持ち悪くて気分がどんと落ち込んで、自分のキャパシティを超えすぎていると感じた。ここで思ったのは「原爆の開発なんて胸糞わるすぎるけど、ナチスやソ連が開発競争に勝っていたら?日本軍は?他の戦争は?戦争以外でも多くの人や生物を殺している事象は?誰を裁くべきなのか、結局全ては、誰を権力者に選ぶのかということなのでは?」とぐるぐると考えた。

映画館を出た後、映画について感想を言い合う人たちのなかから笑い声がしたりして、もちろんだから深刻そうにするのが全てでないとわかっているものの、自分自身を含めて、映画がどうのと言っていられる幸運を改めて思った。

追記。
少し思ったのが、最後の終わりのセリフが若い世代にはアニメとかの影響でかっこよく捉えられてしまうような気がした。ミームもあったからかな、考えすぎかな。また終わりの画が原爆投下で、冒頭のオッペンハイマーが水溜りを見つめていたのは、最後の原爆の核分裂反応を想起していたと思った。あくまでオッペンハイマーに焦点を当てた描き方だったけど、やっぱり全体を通して素晴らしい映画だったと思う。だけどこんなに観た後、辛い。もう一度観たいけど、メンタル的に観れるかな?と思っている。
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