しこしこ侍

オッペンハイマーのしこしこ侍のネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

 原子爆弾の生みの親、オッペンハイマーの功罪を描いた作品。内容自体も非常に難解だが話の構成も時系列がぐちゃぐちゃで難しい。
 簡単に言えば、オッペンハイマーがソ連のスパイを疑われ、尋問される「核分裂」という題のパート、そして、「核分裂」から数年経ってオッペンハイマーと対立関係にあったストローズがアイゼンハワー政権の商務長官に任命されるための承認公聴会が行われる「核融合」と題されたカラーパートの二つから構成されている。
 「核分裂」ではオッペンハイマーの学生時代から核開発に至るまでの回想が大部分なのだが、核を開発するまでがとにかく面白い。科学者、軍人、政治家、核開発という目的は一致しているものの、立場によって核をどう扱おうとしているのかが全然違うのが興味深かった。
 「核融合」では、「核分裂」で描かれたオッペンハイマーの功罪とその罰と対比になるようにストローズの功罪とその罰が描かれている。また、冒頭でストローズとオッペンハイマーが初めて会った時の回想があり、そこでオッペンハイマーはアインシュタインに何かを告げるシーンがある。そこで何を言ったのかは最後の最後に明かされ、この映画の全ての展開はその言葉によって収束する、本当に面白いのでぜひ、見て欲しい。
 
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