なお

オッペンハイマーのなおのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんと言うか‥「圧巻」という言葉では足りない感覚。この映画の凄さを言い表す言葉が見つからない。
ここまで「芯が太く密度がある」映画は初めてかも。セリフの連続、テンポだけでここまでのものができるのかと。全く澱まない3時間。

時間の交錯や伏線の提示、などが奇をてらう形でなく、ガッツリと物語として機能してること。そのためのステージングが泣けるほど渋めに素晴らしい。

音楽、ずっと鳴ってるけど、自然に馴染んで、いい仕事している。映像効果とサウンドの塩梅(ズレも含めて)も素晴らしい。
音の伏線や、無音の使い方、アナログな音の質感、凄く好き。
みんなが喝采の中で居なくなって行く音設計、素晴らしい。
その後、黒焦げの「モノ」を踏んだ辺りで、いろんなことが込み上げて、私もう、号泣してました。

原爆実験のシーンは、もうこっちが息が止まっておかしくなるかと思った。苦笑

キモになるアインシュタインとの会話も、ほんとにずっといい具合にチラチラと匂わせて、最後とことん、本当に爆弾みたいに落として終わる。もう、勘弁してくれよーってくらい、やられまくりで放心しました。

そして、ついでにゲイリーオールドマン、全くわからなかった!エンドクレジットを二度見してびっくりした笑

書き出すとキリがないですね。
「フォロウィング」を観た後にこれを観ました。彼の感性や指向はずっと変わっていない。自分の芯を信じて、しっかりと技量の研鑽し積み重ね、ここまで辿り着いていることに深く感動します。
まさにノーランの良さを全て煮詰めた、ここまでの頂点です。
賛否はあるのだと思います。しかしこの圧倒的な映画は、映画を愛する人は必ず観てほしいと、心から望みます。
なお

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