えいがんご

オッペンハイマーのえいがんごのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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難しかった。けど面白かった。

でもやっぱりストーリーかなり面白かったし、それを成立させていたのは難しいと感じる要素の1つであるが、あの時制の往来だった。

序盤は、ドキュメンタリーの作り方みたいに、オッペンハイマーやその周りの人物ののセリフを受けて、そこに該当する時代のエピソードが描かれて、という繰り返しで紡がれていく。

それと同時にモノクロで映されるストロース視点の物語が徐々に進行し、中盤の盛り上がりを過ぎた当たりで、最初はバラバラと分裂していたオッピーとストロースの物語が核融合する。

オッピーの数奇な運命は、目まぐるしく移り変わる時制によって、まるで核の連鎖反応のように次々に出来事が起こり、オッピー自身を破滅に導いたり、希望を見たりもする。


他にも音響の仕掛けとか、面白い部分が沢山。
ただ、役者の顔や役の名前を覚えたり、史実や量子力学への理解があるとより作品を楽しめるはずだなと、少し後悔。