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オペレーション・フォーチュンのsowhatのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

【ユーモアもスタイリッシュもセクシーも枯渇した退屈なスパイ映画】

この映画に目新しいシーンや設定は何一つありません。どっかで観たことあるシーンの詰め合わせセット。手垢の付いた古臭いスパイ映画の焼き直し。パロディにすらなっていません。なんか、ジェイソン・ステイサム以外、みんな「今さらスパイ映画でもないでしょうよ…」と心のなかで呟きながら演技している感があります。あるのはジェイソン・ステイサムの仏頂面だけ。どうした?ガイ・リッチー。もしかしてもう「面白い映画撮りたい!」という情熱は冷めたのかな?

ユーモアもスタイリッシュもセクシーも枯渇しています。あるのはコンピューター合戦とゴージャス合戦のみ。大体「何でもできる天才ハッカー」が出てくる映画にろくなもんはありません。「私はDJで、あんたはダンサーよ!」と初対面で言い放たれて、オーソンさん(主役、ジェイソン・ステイサム)はなにも言い返せません。まさに彼女の指示のままに動き回り、人形のように振り付けの付いたアクションシーンをこなすだけ。お前は魂のない人形か?!しかもターゲットである「とんでもないヤバいブツ」がAIって…。なんかオーソンさんが時代遅れのただの筋肉バカに見えてきて悲しくなりました。

脇役①天才女性ハッカー、サラ(オーブリー・プラザ)。本作のsexy担当ですが、残念ながらsexy不足。さらに本作のコメディリリーフのハズが、キャラが中途半端で全く笑いを生みません。

脇役②新米スナイパーの黒人男性、JJ(バグジー・マローン)。「Yes, boss」が口癖の忠犬キャラ。ほとんど見せ場もありません。ヘリぐらい操縦させてあげたらいいのに。自分には何ができるのか、自分でもよくわかっておらずずっと戸惑っているように見えてしまいます。

脇役③MI6の上役、ネイサン(ケイリー・エルウィズ)。風采の上がらないしょぼいおっさん。オーソン達の税金の無駄遣いに英国民を代表して怒りを表明する役割。

脇役④「死神」というニックネームを持つ武器商人、グレッグ(ヒュー・グラント)。「死神」というより、気のいいちゃらけた俳優にしか見えません。あれが発動すれば世界中の金融資産は無価値になり、みんな金でしか買い物できなくなるって言いながら「俺の手数料よこせっ!」って、やってることおかしくない?でも、みんなやる気のない本作のなかでは唯一、イキイキとした人物です。

脇役⑤ハリウッドスター、ダニー(ジョシュ・ハートネット)。この人もキャラが中途半端で、車の運転もうまいのか下手なのか判断に迷います。プライドだけ高くて何もできない間抜けキャラにして、お笑い担当に振り切ったほうがよかったのでは。

脇役⑥MI6長官、ナイトン。しょぼくれたおじいさん。Qのような威厳もないし、なにしろセットがチープ!。

脇役⑦ラスボスの金持ち2人。「なんでもできるAI」を手に入れて世界中の金融システムを崩壊させる!その前に金を買い占める!俺たち一人勝ち!「金融核兵器」を使用しようとしている極悪人の設定なのに、「僕の母さんがリストに乗ってる!」って、中学生じゃないんだから。

製作費$5000万に対して興行収入$3790万。そりゃそーでしょ。
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