KnightsofOdessa

ノースマン 導かれし復讐者のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

4.5
[運命の女神が導く血脈と復讐のサーガ] 90点

大傑作。ニューイングランドの森と孤島の灯台で、数少ない人間を自然が追い詰めていく作品を二つ撮ったエガースが、それらを何本も撮れるだろう予算を注ぎ込んで製作した本作品は、同時代の記録が残されていないヴァイキング時代の生活を再現すべく多くの専門家と共に綿密な調査を行い、映画史上最も正確なヴァイキング映画とも言われていると同時に、監督本人すら驚くほどマッチョ映画になっていた。ちなみに、言語を古ノルド語にするには予算不足だったようだが、やる気はあったらしい。残念ながら今回は訛英語。物語は「ハムレット」の原案の一つと言われるヴァイキングの王子アムレスの復讐を描いており、父親を叔父に殺されて母親も奪われて云々という滑り出しはほとんど一緒。しかし、「ハムレット」と似ているのは骨格だけで、アムレスの復讐の過程はヴァイキング時代の魔術も絡んでくるのでデヴィッド・ロウリー『The Green Knight』のようでもあり、父親を殺されて領地から逃げ出したアムレスがヴァイキング一団に拾われて狂戦士として成長するとか、奴隷として農場で働くのとかは『ヴィンランド・サガ』のようでもある。切られれた首が話し始めるのは北欧神話ミーミルの首の話とも見えるし、その他様々な場面で北欧神話や別の人のサガなどを引用している(らしい)。

続きはネタバレになるのでコチラから↓
【ネタバレ解説】ロバート・エガース『The Northman』運命の女神が導く血脈と復讐のサーガ
https://note.com/knightofodessa/n/n25b58fe3907a
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa