みっけん

ノースマン 導かれし復讐者のみっけんのレビュー・感想・評価

4.5
北欧神話、ヴァイキング、魔術…好きな要素しかない作品。観る前に期待値上げすぎて不安になるくらいだったけど、容易で超えてきた。ここ数年のベスト3に入る。

習俗や小道具、セットの作り込みが見事。しかもそれらが制作側の独りよがりにならず物語ときちんと調和している。加えて、外見だけではなく、人々の価値観や思想といった中身まで史実に基づいて作られている。ここまでする作品て、あるようであまりない。

歴史モノの映画を見ていて、ストーリーもセットもすごくこだわっているのに登場人物の価値観が現代でがっかりしたことがある。悪いわけではないけど、文化習俗というのは思想や信仰と切り離せないので、価値観がそれらと異なるとオーパーツのような違和感があった。その点、ノースマンはぎちぎちに作り込んでくる。
配給が超メジャーだが、変に大衆受けを狙った演出もなく、潤沢な資金で丁寧な作品作りをするとこういうものが出来上がるんだな…と感動すらした。
どのキャストも、この人にしかできないだろうと思えるハマり具合。

注意としては、文化をある程度知らないとただ野蛮なことしてるやばい人たちに見えてしまうので、ヴァイキングやその周辺(北欧神話界隈)の予習をしていったほうが楽しめるかも。
面白かったのは、色白もやしっ子だったアムレートが数年後にゴリゴリムキムキのアレクサンダー・スカルスガルドになること。数十年後の間違いでは。苦労したのね、と脳内補完。
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