なお

ノースマン 導かれし復讐者のなおのレビュー・感想・評価

3.0
完全なるアニャ目当てでござあますね。

監督はロバート・エガース。
彼が手がけた作品はまだ数こそ少ないものの、日本では2021年に公開された『ライトハウス』でその知名度と人気を一気に押し上げた感のあるお方。

ちなみに、同監督制作の2015年の作品『ウィッチ』(未鑑賞)にもアニャが出演している。

シェイクスピアの悲劇「ハムレット」の主人公・ハムレットのモデルとなった伝説上の人物である<アムレート>が巻き込まれる数奇な運命と、その運命によってもたらされる数々の苦難に立ち向かうアムレートの姿と、彼の復讐劇を描く。

✏️Wheel of Fortune
単刀直入に言うと、最初から最後まで波に乗れず、ついていけず。
自分には徹頭徹尾合わない作品だった。

父を殺した叔父への復讐を果たさんとする主人公…という、良くも悪くも古今東西の創作物にて描かれてきた「ありきたりな」設定の中で、アムレートがどのような復讐劇を見せるかを楽しみにしていたのだが…

まず会話の内容がいちいち”詩的”というか、婉曲表現だったり比喩的な表現が多いのが自分にはちとキツかった。
なんとなく言いたいことはわかるのだけれど…

まるで自分とは住む世界が違う人びとによる「雲の上の会話」を聞かされているような時間が大半を占めることとなってしまった。

冒頭数分のシーンを見て、なんだか『ゲーム・オブ・スローンズ』みたいな世界観と設定、そして主人公の出自だなと感じてしまい、無意識にGOTとのクオリティの比較を始めてしまったのも良くなかったかも。
全く違う作品なのに。

✏️演者の底力
物語の内容の是非から目を背ければ、さすが実力派の俳優を集めただけはある。

実在の地名を舞台にした世界観ではあるが、どこか退廃的でダークファンタジー的な世界を生きる人物たちの「狂気」だったり「どこかちょっとイッちまってる感」がよく表現されており、思わず目を見張るシーンも多い。

中でも自分の推し・アニャが本作で演じたのはオルガという名前の奴隷。
過去自分が見てきたアニャ出演作では、名家に嫁いだ奥様だったり魔性の女だったり天才的なチェスの腕前を持つ孤高の若者だったり…と、誰から見ても”魅力的”な女性を演じることが多かった。

が、本作では主人から虐げられる(といってもオルガは主人に気に入られていたため、過度に酷い扱いを受けてはいなかったが)立場の女性という、今までにない役どころを披露。

いくつかのシーンでは彼女が生まれたままの姿になる場面もあり、まさに文字通り体を張った演技を見せてくれ、新たなアニャの魅力というものを知ることができた。

☑️まとめ
キャスト陣の演技力には並以上の力があったのは確かだが、肝心の内容が自分にはどうしても合わなかった。

ハムレットの原典だったり、海外の古典文学に詳しい方ならばこの世界観の魅力を享受し、酔いしれることができるのだろうか…

自分にはちと高尚すぎるというか、敷居の高い作品。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★☆☆☆

🎬2023年鑑賞数:10(3)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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