漫画「ヴィンランド・サーガ」より少し前の10世紀アイスランド。叔父に父王を殺され、母を奪われたアムレートが、ルスの地でビヨンウルフと呼ばれるヴァイキングの猛者に育ち、あるとき仇の居場所を知り復讐に向かう。
ヴァルハラ、ユグドシラル、オーディン、レイブン、フェンリル、ヴァルキリーと、家族=血脈と名誉、勇敢さを何よりも大切にする、まさに北欧神話の世界観。
アレキサンダー・スカルスガルド、アニャ・テイラー=ジョイ、イーサン・ホーク、ニコール・キッドマン、ウィレム・デフォー、そしてアイスランド出身で世界をとった歌い手ビョークまでもが出演。
ついでにローフェイも出して欲しかったが、顔つきがアジアン過ぎて違和感ありすぎるか。
農耕が始まってから人類は余計に”家族と土地と富を守るために部外者を恐れ”、結果的に”血で血を洗う復讐の連鎖”を生む。まさに「ゴッドファーザー」の価値観。
デンマークを中心としたヴァイキングたちは北欧~イギリス~バルト海からウクライナを抜けて黒海まで進出して”ルス、ルーシ=北欧人の土地(ロシア、ウクライナ、ベラルーシなど)”とし、各地の人々を奴隷化し売買した。これもナポレオンとナチとの血みどろの戦いを経験する前からロシアのDNAにしみついているよそ者への恐れの元かもしれない。
・・・なんて事を考えてると、ここで美化されている世界観が、現代まで続く人間の愚かさの根源に思えてモヤモヤしまくってしまった。