邦題にもある通り本作は復讐譚である一方で
原題通りNorthman即ち北欧神話という側面を
強く反映させた作品。
単純な復讐譚と思うと結構とっつきにくさがあるので
なので事前にもっと北欧神話について知識があれば
より深く観れたのかなあと勿体無い気分。
(当方「ソー」のほぼ名前を借りた程度の知識しか持たず)
とはいえ難解な北欧神話の精神性も
少なくとも作中で描写された部分については
かなり分かりやすく、かつ神秘性をもって
映像的に表現されているので
置いてけぼりにされるほどではない。
"神秘性をもって"というが結構重要で
現代日本人としては飲み込みづらい精神性であっても
神話とカテゴライズできれば比較的受け入れやすい。
アレクサンダースカルスガルドの
他の誰よりも獣らしい姿勢
(別の言い方をするとめっちゃ首を痛めそうな姿勢)は
誰よりも強靭な戦士であることの証。
肉体的な説得力含め実に素晴らしい。
その他魔女といえばアニャテイラージョイとか
お前はそういう奴だと思ってたイーサンホークとか
俳優陣はどれも名配役。
デフォーをもっと見たかったよ。
カメラワークも少し独特で
それが寓話性を高めている一要因。
ただ反面としてアクションシーンが意外なほど
重量感に乏しい。
なんか斧や剣が軽そうに見えてしまうのは
ちと勿体無い。