この人、最近まで存命だったのが不思議でしょうがない。
本当にたまたまヒトの形態を借りているエイリアンにしか見えない。
これまでデヴィッド・ボウイの動く映像は、『映像の世紀』やYouTubeなどで垣間見る程度だったので、フルライブ映像を鑑賞することができて嬉しい。
彼の美貌は、ジェンダーレスというより両性具有的だ。この世の秩序を作る規範からは大いに外れ、歪で倒錯的だが、高潔な気品と美しさでそれらを圧倒し、黒を白とも言ってしまうような説得力を持つ。どうしたって人を惹き付けずにはおかない。
さぞかし同時代人を刺激し、蠱惑したことだろう。
舞台裏での彼の姿もしっかりと映されていたが、
その堂々たる優美な佇まいはイメージと同じだった。
冒頭で『歓喜の歌』のシンセ・アレンジバージョンが流れており、やはりキューブリックと縁が深かったことを再認した。(実際に交流があったかは知らないが)
日本発売時の邦訳だとは思うが、”Ziggy Stardust”を「屈折した星屑」と訳されていてビックリした。文字列だけでは何の曲か分からなかった。
完全に日本語が通常表現の対象としている概念を超えている詞だ。