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黒い家のsayaのレビュー・感想・評価

黒い家(2007年製作の映画)
3.5
保険会社の新人社員であった主人公が、客に対して個人的な話をしないというルールを破ったせいで保険金詐欺を企む家族に付け込まれる物語です。
日本版はブラック・コメディでしたが、韓国版は独自のアレンジを加えつつも原作のテイストを忠実に再現したホラーミステリーになっています。
原作ファンにとっては韓国版のほうが違和感は少ないでしょう。
主人公の兄ではなく弟が自殺したことになっていますが、日本版で削られてしまった過去のトラウマを残したことで、主人公が他人の命を助けたいと思う動機にも説得力が出て物語の流れも自然です。
インポテンツの設定はなくなりましたが、韓国版はきっと上品にやりたいのでしょうね。
大竹しのぶの演じた役に美しい女優をキャスティングしているのも、すごく韓国っぽいです。
異常な家族が住む家の外観に関しては韓国版の出来は最高で、近づいてはいけない空気がヒシヒシと伝わってきます。
『悪魔のいけにえ』で殺人鬼の家に近づいていくシーンを思い出すくらい禍々しくて最高ですね。
トラップを使って邪魔者を排除するなど、殺し方も日本版より凝ってます。
物語の締め方は日本版と韓国版どちらも原作とは異なりますので、見比べても十分に楽しめるのではないでしょうか。
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