チッコーネ

黒い家のチッコーネのレビュー・感想・評価

黒い家(2007年製作の映画)
2.7
『鳥肌』を経て、韓国映画が「霊より怖い、人間をメインキャラに据えたホラー」に本格着手…、といった趣。
思ったより日本版に忠実な展開、時に日本版より丁寧な描写に好感を覚えたが、キャリアの浅い女優が怪物を演じているせいか、ミステリアスな程度でサイコパスとしての迫力は、不足。
「黒い家」の内部セットは良かったが、拉致された主人公の恋人の演技にも「追い込まれた恐怖」が全然感じられない。
続く病院場面でも「ベッドへ隠れる前に、寝ていた人物を当然殺すでしょ」、「数日逃走していた割に、身綺麗すぎるのでは」など、中途半端な演出が目に付いた。
似たような題材を扱った翌年の『チェイサー』はもっとハードで面白い、2010年の『悪魔を見た』はやり過ぎ…、とバラつきがあるのは、過度期ゆえか。

ファン・ジョンミンが出ずっぱり、彼の困り顔をクローズアップでいっぱい堪能できるのは、楽しい。
サイコパス女に組み伏せられる場面では、もともと赤い顔がさらに充血。
本作では被害者、『コクソン』では霊媒役だったので、ぜひ次はサイコキラー役に挑んで欲しいところ。