メロス

クリスマスとよばれた男の子のメロスのレビュー・感想・評価

4.5
絶対にクリスマスに観ようと決めていた作品。とても良かった。
原作がイギリスというのもあり、「楽しいことを考えると飛べる」とか、信じる者には妖精たちや彼らの村(エルフヘルム)が見えるとか、どことなく『ピーターパン』の雰囲気を感じた。
ほんと、ファンタジー作品でイギリスの右に出るものはいないな、とつくづく思った。
全てがハッピーに進むわけではなく、胸くそ意地悪おばさんに家を追い出されたり愛する父親との別れを経たりしながら、他人への愛情を持ち続けるニコラスの姿に泣く。

あと、おとぎ話の語り部、マギー・スミスが最高!
彼女が出てくると、何か魔法的なことを起こしてくれそう!と否が応でも期待が高まってしまう。案の定、ラストは素敵な奇跡を見せてくれた。
それと、ニコラスがネズミのミーカに言葉を教えるシーンが可愛すぎる。
「男の子、ネズミ、木!」

人のために何かをすることこそ、クリスマスの喜びなのだと改めて感じさせられた。
自分のことばかり考えてしまってるな、今日人に優しくできたかな…?など、自らを省みてしまった。
思えば子どもの頃、母はクリスマスの時期にはいつも家族のためにプレゼントを準備したり、美味しい料理を作ってくれたり、忙しく動き回ってくれていたな…。
大人になって実家を出てから、「あの頃は忙しかったけど嬉しかった」と少し寂しそうに言われたことを思い出して、何か涙が出た。
私も人に何かを与えられるクリスマスを過ごしたいな。

とにかく、温かい気持ちになれるクリスマス映画だった。
メロス

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