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ミューズは溺れないのnanaのレビュー・感想・評価

ミューズは溺れない(2021年製作の映画)
3.5

思春期の気持ちの揺らぎ

「そういう子供みたいな事言わないの」

だってまだ子供の部分はあるよね

義母の妊娠、新しい家への引越し。
“産まれる”
“増える”
“動く”

環境が変化する中、どこか両親とお腹の中の子供に対してサブ家族感がヒロインにある。
当然この経験でグッと大人にならざるをえないし、進路への迷いもある。

何に対しても1枚隔てているように外側から見ている朔子と光。

踏み込もうとする栄美。
クールな2人に対して栄美の持つ高校生の生活感を森田想が絶妙に演じている。

だれかをつまんない人間かどうかなんてそれぞれ自分で決めればいい。

対極的な2人がモデルと描き手になり気持ちの底をぶつけ合うシーンの澄んだ棘。


破壊して前に進んで
新しいものが出来て行く

突然怒ったり素直になったり。

そしてあの気持ち

本音ってこんなふうにならなきゃ出せないのも思春期っぽく、この映画はみずみずしい。

自分も何かを再生したくなりポロポロと泣いた。


9月30日公開です
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