みりお

ミューズは溺れないのみりおのレビュー・感想・評価

ミューズは溺れない(2021年製作の映画)
3.8
チネマット様試写会にて鑑賞🌟
素敵な機会をありがとうございます💓

あぁ〜これは好きだ。
中高6年間を女子校で過ごしたから、この2人の間に流れる独特の空気が少しわかる。
そしてすごく好き。
LGBT系の作品に位置付けられるんだろうけど、決してあの2人の関係性は、それだけではない。
互いの才能を認め合い、"欲"とかではないけれどどうしようもなく惹かれ、時間を一緒に過ごしたいと思う、友達とは少しちがう特別な相手。
思春期特有の自己肯定感の低さを、互いに埋め合える特別な存在。
朝まで語り合い、心で繋がることのできる、唯一無二の存在。

船をうまく描けず、海の中で無様に溺れていた朔子。
そんな朔子を観て、船ではなく彼女を描きたいと思って、才能を開花させ迸らせる西原。
その西原にアイデンティティを認められ、船を描くどころか、作り上げてしまう朔子。
そして、かつて朔子が溺れていた海に、その船を2人で押し出し、いまにも強く漕ぎ出していけそうな2人の姿…
全てのバランスが完璧✨。
才能に溢れているのに、それに自信を持てない女子高生2人が、互いの存在によって強く羽ばたく力を得る様子は、観ていて本当に清々しい。
ラストシーンを観る頃には、これ以上ないくらいの解放感と、未来への希望を胸に残してくれる、とても素敵な作品でした✨

あと音を組み立てながら使う効果音が独特でとても好きでした🥰
朔子が集中するシーンのBGMがとてもよかったな💓

そして一番印象的で惹かれたのは、西原役の若杉凩さん👀✨
あの中性的な独特の魅力はなに⁉️
ずっと観てたいと思うような、目を惹く存在感。
朔子が目で追ってしまうのもほんとわかる。
映画の告知で喋っている素の映像も観たけど、ほんと魅力的な子でした(*´꒳`*)


【ストーリー】

高校の美術部に所属する木崎朔子(上原実矩)は、船をスケッチしている最中に誤って海に転落してしまう。
その様子を見ていた部員仲間の西原光(若杉凩)は溺れる朔子を題材に絵を描き、その絵がコンクールで入賞する。
さらに光から次回作のモデルになってほしいと頼まれた朔子は、悔しさから絵の道を断念し新たな創作に挑戦しようと試行錯誤する。
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