たな会No02

東北おんばのうた ― つなみの浜辺でのたな会No02のレビュー・感想・評価

5.0
「けせん語」で読まれる歌がなぜこんなにもよいのでしょうか。訳すおんばたちの声の質、発声の仕方、読まれる歌のチョイス、また「けせん語」になったときの親しみやすさ、原文とのその落差、そのどれか、あるいはすべてが刺さりました。なぜか泣きそうになります。津波に何度襲われても海が好きというおんばのことばに、現実を受け止めながらも、逃れられない生活とここに居続けたいという地元への愛着と、なんというかアンビバレントですが当たり前のことなんですね。けせん語で歌を読むことで、なくしてしまったもの、ことばだけでなく生活や歴史を取り戻そうとしているようで泣きそうでした。