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四畳半タイムマシンブルースのmimiminsuのレビュー・感想・評価

2.5
「四畳半タイムマシンブルース」見た!ヨーロッパ企画の演劇「サマータイムマシンブルース」と小説「四畳半神話体系」のコラボと言う変わり種のアニメ映画

個性的なキャラクターたちがわちゃわちゃ楽しそうにしてるのを見る喜びを満たしてくれて良かった。特にオチョナンさんみたいな見た目の小津とヒロインの明石が魅力的。

「究極超人あ〜る」や「めぞん一刻」を見て『今俺の周りには平凡な奴しか居ないけど、高校生、大学生になればきっとぶっ飛んだ人達と知り合えるに違いない』とかすかに胸ときめかせていた小中学生の頃を思い出して、現代の子供たちにこの作品が夢を与えているといいな、と思った(子供向きじゃなくとも見るやつは見る)

ただ良かったのは四畳半要素だけで、もう半分のタイムリープものとしての面白みは全く無いと言っていい。演劇としては魅力的な作品だったんだろうとは思うんだけど、そこの面白さをキチンと構造化せずに演劇以外のフォーマットで焼き直してしまった結果シナリオ的にとても平坦で盛り上がり所のない脚本になってしまったんだと思う。

演劇はそのリアルタイム性からくる構造的な不自由さを観客が承知の上で、ある種「それは演劇だししょうがないよね」的な下駄を履かせて作品を見る前提があるが、その一旦下げてもらったハードルを越えることによって観客の予想を裏切って「すごい!」と思わせる、一つ盛り上がり所を作る事が出来る。

しかしリアルタイム性の無い、編集でいかようにもなる映画なら、ましてや実写以上になんでも出来るアニメなら、演劇で一つの盛り上がり所として超えてみせたハードルはそもそもハードルとしての機能を果たさない。
演劇だからこそのキャッチーさを失って盛り上がりどころを純粋に脚本で用意しなきゃ行けなくなった時にそれでも通用する脚本なのか?そう言う物差しで見た時、うーん…このお話、既視感バリバリの要素しかなくて全然面白く無いんだが…

と、悪い所があからさまにタイムマシンブルース部分だけに集中しちゃってたんでなんだか文句が長くなってしまったがトータルでは楽しませてもらえたので見て損だったと言うわけでは無いです。明石さん可愛い。
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