沖田遊戯

四畳半タイムマシンブルースの沖田遊戯のレビュー・感想・評価

5.0
青春とタイムマシンの無駄遣い-


2010年に森見登美彦さんの原作を湯浅政明監督がアニメ化した「四畳半神話大系」。
薔薇色のキャンパスライフを夢見る"私"の灰色のキャンパスライフがパラレルワールドで描かれる怪作。

2001年にヨーロッパ企画によって初演され、後に本広監督よって映画化された「サマータイムマシン・ブルース」。
壊れたエアコンのリモコンを取り戻すためにタイムマシンで昨日に戻るが段々と辻褄が合わなくなっていく…世界一ミニマムなSF青春作品。


2022年極狭空間で繰り広げられる二つの怪作が悪魔の合体を遂げ、劇場に帰ってきた。


「四畳半神話大系」も「サマータイムマシン・ブルース」も大好きな私としてはある種の使命感を抱きながら観にいったんだけど、スクリーンを出る頃には次はいつ観に来ようかとスケジュールを立てていた。
最高すぎる。どちらもミニマムなスケールで壮大なSFをしている作品なだけに混ざりあった時にゴチャつかないかと不安だったけど、信じられないほどに調和していてあまりにも居心地が良かった。

アニメシリーズに比べて表情豊かになった明石さんや完全に弄られキャラへと変貌した城ケ崎など絶妙なバランスで改変されたキャラクター達もサマータイムマシン・ブルースの世界に溶け込んでいてより好きになった。

こんな平行世界もあったのかもしれないと思えてしまう究極の二次創作。たまらない。ありがとう。本当にありがとう。
沖田遊戯

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