眼鏡の錬金術師

四畳半タイムマシンブルースの眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

四畳半神話体系×サマータイムマシンブルースであり、ヨーロッパ企画×森見登美彦。かつ夏目監督でサイエンスSARUという大好物のごった煮のような作品。
ずっと見たかったのだが、ディズニー+加入してないし、どうせ買うに決まってるからBDの発売を待ってついに視聴するに至った。小説版も既読。

壊れたエアコンのリモコンを巡って、辻褄合わせのためにタイムマシンを使って昨日と今日を行き来するというサマータイムマシンブルースの基本プロットはそのままに、四畳半のキャラたちが躍動する。
それだけと言えばそれだけで、話自体はサマータイムマシンブルースを見てる人ならほぼネタバレしてる状態なので大きな驚きはない。とにかく好きな作品と好きな作品がかけ合わさったお祭り的作品なので、内容はともかくファンとしては嬉しい作品で、それ以上でもそれ以下でもない。

欲を言えば展開の中でもうちょっと抑揚が欲しかったなと。五山に誘うシーンとか、リモコンが99年越しに出てくるシーンとか、もっとカタルシスを引き出させるような演出で決めて欲しかった。四畳半神話体系のラストにかけての盛り上りがすごかったから、そこも踏襲してくれたならもっと評価を上げたのだが。

変わらずキャラデザや美術はかわいい。森見登美彦氏の文体をそのまま台詞起こししたような早口のナレーションも心地良い。
樋口師匠が中井和哉さんに引き継がれていた。全く違和感のない素晴らしいキャスティングだった。