悲しくて優しくて、絶望的だけどやっぱりどこか優しい話だった。
閉塞感から脱却し執念をもって生きた証を残そうとする“思考する”おじさまと、閉塞感など感じたことのない“ナイーブ”なおじさまの意地の張り合い話し。後者はほぼ巻き込まれ方だけど、どんどん拗らせて、お互い、ダメなところが露わになってしまったりする。そーゆーことあるよね、、。
誤解を恐れずに言えば、パードリックは仔犬みたいなものだろう。過去も未来もなく、ただ今があるだけ。大好きな友と今ある幸福を享受したいだけ。しかし思考する人は、幸福は“掴み取ってこそ”意味を成すものなのだ。
そんな思考をもったコルムにしてもやはり、仔犬のようなパードリックを遠ざけるにためにはあれほどの狂気が必要だったのだろう。それほどまでに、2人で積み重ねて来た時間は、容易には捨て難きものだったのではないかと想像する。つまり、パードリックの悲しみはやはり、コルムの悲しみでもあるのだ。
そう信じたい。
映画を見終えてこのポスターを見ると、また落涙してしまう。どうかまた、2人がビールを酌み交わせる日が訪れますように、、。
コリンファレルの演技は本当に圧巻。
風景も素晴らしかった。アイルランド行きたし。