南

イニシェリン島の精霊の南のレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
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公開2日目、大満員!

【乱雑メモ】

■渚と死神
┗ベルイマン『第七の封印』

■不条理文学
┗カフカ
┗ベケット
┗ヨルゴス・ランティモスの深刻なブラックコメディとの近似性
→『聖なる鹿殺し』バリー・コーガン出演
→『ロブスター』コリン・ファレル出演

■ボーダーコリー(≒コルム自身)とロバ(≒パードリック自身)は、それぞれ「賢者」と「アホ」の寓意か。
※ボーダーコリーは最もお利口の犬とも言われる。

■マクドナー監督作品に頻繁に登場する要素
┗横柄な警察官(マクドナー自身の権威に対する不信感の現れ?)

┗神父(同上。劇中でコケにされやすい)

┗無垢な存在が理不尽に犠牲になる『ヨブ記』的な展開
・ロバのジェニー(イニシェリン島)
・レイプ後に焼き殺されたミルドレッドの娘(スリービルボード)
・誤って銃殺された子供(ヒットマンズ〜)

┗「人間による復讐」という神にあだなす行為

┗動物(純粋性の象徴?)

■『ヒットマンズレクイエム』と共通の要素
┗ブレンダン・グリーソン×コリン・ファレル
┗懺悔室/告解室

■ 『スリービルボード』と共通の要素
┗「もう後に引けん」と覚悟が決まっちゃった主人公による蛮行、復讐の応酬、放火。

■図式化された箱庭的世界観。

┗分断そして抗争に明け暮れる国と国
(主人公2人)

┗とばっちりを受ける無辜の民
(動物たち)

■閉鎖的な環境から逃れ人生を好転させるチャンスを掴む人物と、現状を変えられずくすぶり続ける敗者。
┗『シングストリート』
┗『トレインスポッティング』
┗『カッコーの巣の上で』
┗『リトルダンサー』
┗ 『ブルックリン』(アイルランドの田舎から飛び出す女性という点も一致)
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