わたあめ

イニシェリン島の精霊のわたあめのネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

単刀直入に言ってしまうと、争いが生まれ戦争が起きる経過を、パードリックとコルムに置き換えて、丁寧に描かれていた印象。笑い事のような出来事から、次第にエスカレートしてしまう事が、めちゃくちゃ怖かった。(怖くてお腹痛くなった)

とにかく、素晴らしい景色でした。島に全く木がないのは驚きでした。

パードリックの眉毛がずっとハノジになっていて、可哀想で観ていられませんでした。本当にただのいいヤツで、無視され始めた理由もわからなくて、アレやこれやと走り回るのですが、終いには争いの火種をぶちまける程、ピシッとした眉毛で、優しい面影も消えてしまってて…。コリン・ファレルの演技がもう凄かったです。

最後の終わり方、なんだかこう、寂しいような、切ない会話のやり取りでした。

「犬の世話をしてくれてありがとう」

コルムのこの言葉を聞いたパードリックの表情が忘れられません。
朝日がのぼり、なにが始まるのかわからないけど、何かが始まってしまう…、負のイメージが強めの終わり方でした。

妹が島を出て自分が満喫できる場所を見つけたり、パードリックがコルムとの関係を修復しようとしたり、ドミニクが警官である親から逃げるためパードリックの家に行ったり、なんだか居場所(領土)を求める映画なのかもしれないと思いました。

あの老婆は…、私たち観客だったのかも。
「犬を殺すな〜」をよく言ってくれました。
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