ペコリンゴ

イニシェリン島の精霊のペコリンゴのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.3
記録。
すべてがうまく行っていた、昨日までは。

コリン・ファレル×ブレンダン・グリーソン共演、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督最新作。

これめっちゃオモロいやつ!

1923年、アイルランドの西海岸沖に浮かぶイニシェリン島にて。

いつものように親友のコルム(ブレンダン)をパブに誘うパードリック(コリン)。だが、突如コルムに絶交を告げられる。身に覚えのないパードリックは「なんでやねん、俺何かしたんか!?」と問うものの「何もしてへん。やけどお前退屈やねん。お前とおる時間が無駄やねん!」とコルム。

傷心のパードリックは何とか仲直りしようとするがコルムは意地でも応じない。

挙げ句の果てに
「ワレがワシを煩わせる度にワシはワシの指を切り落とすわい!ワレが諦めるかワシの指が全部無くなるかどっちかじゃけぇのう!」と脅迫めいた事を。

アイルランド本土で内戦が繰り広げられるなか、2人の対立は瞬く間に島内で噂になり、やがて思いもかけない結末へ…。

元々は戯曲として構想されていた本作。
予告からはどんな作品なのだろうと測りかねていたものの、僕にとってはブラックコメディでした。

悲喜劇ってやつ?
とにかく会話やさり気ない仕草がツボをくすぐります。こういうのは大好き!

フィドル(バイオリン)弾きなのに指を切り落とそうとまでするブレンダンの徹底した拒否りっぷり、対するコリンのハの字眉毛を前面に押し出した悲しい表情は申し訳ないけど笑ってしまうw

主役2人以外のキャストも
パードリックの妹役ケリー・コンドン、警官のクソ親父に虐待されてる息子役のバリー・コーガンら実力派を起用。

ミステリアスな展開、深読みの余地を多く含みつつ、表面だけ掬い取っても非常に面白い理想的な映画だと思います。さすがサーチライトが配給するだけあるクオリティ。

多分速攻Disney+で配信されるんでしょうけどねw