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イニシェリン島の精霊のNooのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.8
島の人間関係が狭すぎて、学校の教室の嫌な感じを思い出した。気まずい相手と狭い空間にいる不快さ。

皆が「離れればいいじゃん!」って思うのにどうしてもそれができない…。
出ていこうにも、ここ以外での暮らし方なんて知らないし、ここ以外で暮らせるとも思えない。
圧倒的に狭い世界で、自分より馬鹿だと思える人間を見つけて生きていく。
人生の楽しさなんてわからない。親友も、家族も、見下せる相手も、最愛のペットも失った。
これからの生きがいは、もう友達だった男と戦争をしていくことしかないのかもしれない。

友達とギクシャクした時、困惑して、悲しんで、媚びて、怒る、という心の動きが生々しくて「わぁ…」となる。
自分に都合の良い関係性が、相手にとって不満のない関係とは限らない。
色々身につまされる話。
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