Azmin

イニシェリン島の精霊のAzminのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0
このコリン、最高に好きなキャラ~>_<♡
最近色んな作品に出演、大活躍の役者の1人になってますが、特にこんな役が良く似合う~!
そしてキャリア最高の演技です。

友達に突然絶交を言い渡され、理由がわからず戸惑うコリン。
これだけなら可愛いオジサン♪で済むんですが、これが思った以上に奥が深く、複雑な男同士の意地の張り合い合戦へと展開していく。

友達だったコルム、彼の言い分もわからないでもないけど、あまりに突然でかたくなすぎる。
ちょうど島の向こうで起こっている内戦が、彼の心に不安と変化をもたらしたんだろう。

コリン演じるパードリックがコルムの絶交&無視からだんだん孤独な気持ちになり、島一番ののけ者ドミニクとどっちが劣った人間か、妹に聞き出しひとり納得しようとするところ、かなりおかしかった!
会話のひとつひとつがなんだか愛おしく味わい深い。ホントに魅力的。

パードリックが遂にキレるまで、なかなか時間が掛かる。
この人、ホントいい人なんやねぇ。
というか、のんびり過ぎる島の生活でどこまでもおっとり思考なのか💦
その後コルムが信じられない宣言をし勝手に実行、流血事件がなかなかエグい。

穏やかなオープニングだったのが、いつの間にか人間の深い闇へと引きずり込まれる感じ。
もちろん、パードリックも黙ってはいない。
とうとう過激な行動を起こした時、これはやはり二人の間の内戦そのものだなぁと気付かされる。

ここに精霊の化身のような存在、ミス・マコーミックが出没、こちらも不気味でずっと目が離せない。
その他、近所に住む変わり者のドミニクは「聖なる鹿殺し」でコリンと共演、独特のキャラでインパクトを残したバリー・コーガン。
今作でも目がイッてる、怖くて変な子です。そのドミニクの父親も最低な警官だし、育った環境が可哀想。

そんな中、パードリックと同居する知的で優しい妹のシボーンがすごく良かったなぁ。
ひとりまともだし爽やか。
彼女だけは希望の光です。

そしてパードリックが可愛がるロバのジェニーやコルムの愛犬。
どちらもとっても可愛いし、彼等飼い主の動物に対する愛情が、家族レベルでとても共感出来るし癒される。

あらゆる角度から見ても完成度の高い作品、堪能出来ました。
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