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イニシェリン島の精霊のぐるのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.7
アイルランド史上、最も衝撃的な時代・内戦期なのに、島の人々は内戦に興味を示さず、戦闘のシーンも出てこない。この異様さが、外に興味を示さず、噂話などに興じて一生を過ごす島の人々を端的に表していると思う。

主人子もその一人だが、読書を好み本土へ渡ることを夢見る主人公の妹・シボーンと、残りの人生を有意義に過ごしたいと突然思い立った主人公の親友・コルムだけはそんな島の暮らしに耐えられない。

いきなり絶交を宣言され戸惑い怒る主人公の気持ちも、コルムやシボーンの気持ちも、共感できる部分がある。都合のいい和解は訪れず、どんどん二人の関係が狂気がかるほど悪化していく結末は悲しいけどどこか腑に落ちるものがあった。

それにしてもバリー・コーガンの演技がすごい。
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