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イニシェリン島の精霊のメッチのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.6
恐らく、拒絶された側がすべき事は、拒絶する側と同じ価値観に近づけば良かったのかもしれない。

この作品について、映画サイトでどんなテーマの作品なのか予め説明されていましたが、アイルランドの内戦の「始まり方はこうなのではないのか?」みたいな表現をされていました。もちろん、1つの国が2つに分かれてしまうことをそのまま映画にするのではありません。
イニシェリン島という架空の島に住む男2人。その片方が、価値観が変わったため絶縁を告げ、そこから片方が過剰になりもう片方過剰になってしまう様を映画にしている。
この過激さを抜けば、「私の心境が変わり、互いの価値観が変わってきたため、自ら連絡する(会う)ことをやめる。」という行為は、私も過去に自然とやっていたこと、他の方もしてしまっているのではないでしょうか?そんな「人の心理」の要素と「内戦」を上手く映画に落とし込んでいました。

戦争が起こる発端は「人の心理」であり、その「人の心理」はどの時代も我々人間が生きている限り有り続けるもの。この作品は、戦争の本質について観ている人々に伝えているように思えます。
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