しゅう

イニシェリン島の精霊のしゅうのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0
字幕版を鑑賞。

コルムは何故この歳になるまでパードリックと親しい友人でいたのか。それは彼の"善良さ"を気に入っていたからでは無いのか。

パードリックは何故コルムとの友人関係にあそこまで拘るのか。それはあの小さな島で唯一の"知的"な男が自分を認めている事が誇りだったからでは無いのか。

どうやらアイルランド内戦が背景にあるらしいこの物語。大変面白かったが、全然咀嚼しきれていない気もする。

前作『スリー・ビルボード』でもそうだったように、マクドナーは"人の尊厳"というテーマにとても敏感で、今作でも弱くて愚かで見栄えが悪くて、周囲(特に自身を強くて賢いと思っている人々)から軽く扱われて当然と思われている人間にも決して侵されざるべ誇りと尊厳があるのだ、という事を描いている。
しゅう

しゅう