Miz

イニシェリン島の精霊のMizのネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます



何でもわかったような顔してしゃべることのある自分に対して「ちょっと一旦黙ろうか」と言われたかのような気分にさせられた。

初めて別役実やゴドーを待ちながらを触れたときのような不条理体験。

現代人に見せる題材としてこれほどスッと入り込ませる演出もないなというくらい鮮やかな映像でした。


不条理な設定の扱い方が並じゃないんだな。
示唆的に演じられてるんだけど何を指してるのかさっぱりわからなかった。一応理解はできたけど、解説聞いて。
なぬ、という感じ。相手を尊重するという言葉の真意は、「関わらないようにする」も含まれている。
そのしわ寄せがきたわけだ。

世の中に存在する頭のおかしな人間や、気が合わないから、なんとなく好きになれないから関わりたくない人っていうのに対してみんなこんなふうに煙たがって生きてきただろう。
コルムの優しさにも限界が来ちゃったんだからしょうがないよね。嫌なもんは嫌なんだもんね、
優しいはずの人がそうせざる負えないなんて、介護士や保育士が老人や子供を嫌いになってるみたいなグロテスクさ、精神的に不衛生だ。
でもこれが人なんだよって言われたような気もする。


誰も我慢なんてしたくないんだな
Miz

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