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イニシェリン島の精霊のERのネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 登場人物たちの思考がずっと極端!!!
 お母さんヒス構文のような、「なんでそっちの方向にいくんや……」ってシーンが多々ある。登場人物の言動が不一致な部分が多くて、最初から最後まで展開が精神的にしんどかった。

 展開の背景には、登場人物たちが追い詰められたり、「退屈」に毒されて「悪意」が表面に出てきやすくなったり、ムラ社会の悪い部分を煮詰めたような舞台設定に要因がありそう…… 勝手に便箋の中を見られるくらいプライベートがなかったり、すぐに噂話をして周囲を馬鹿にしたり……

 ずっと同じような閉鎖空間で毎日過ごしてしまうのは、めちゃくちゃつらいと思う。将来を懸念して序盤のコルムみたいな発想になってしまうのも分からなくはない。けれど今自分が生きてる世界や時間よりも、自分が死んだ後の世界に残るものの方が大切という発想は分からない。僕自身がこういう因習を煮詰めたような島に生まれなくて本当に良かった……
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