・良くも悪くも「昔の映画」を再現しようとしたように感じる。
現在に撮る工夫をあまり感じられなかった。
・精霊や死神を、比喩的に昇華して現代社会の寓話として使うなら、『ベルリン天使の詩』くらいまで持っていかないと、ただただ死神の姿をしたお婆さんに過ぎなくなってしまう。
・島の悪意を、脇役の一つにするなら、島の人々の表情がもっと見えないと、悪い意味で舞台劇的に、背景が限られてしまう気がする。
・終わり方は、あれ以外に確かに思いつかないが、それでも描写から逃げたような気がしてしまう。
・今年のアカデミー賞候補の「逆転のトライアングル」にも言えるが、中盤に至るまでに時間がかかり、語る内容そのものからはぬるっと逃げているような、気味の悪さがある...?