てっちゃん

イニシェリン島の精霊のてっちゃんのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0
予告編を見て、これは!と思って観に行きました。
ただ情報はそれだけで留めておきました。

コリン・ファレルさん最高です!!って映画です。
とにかく彼の演技がいいんだ、、本作ではトレードマークの下がり眉が最大限に活かされています。
なんでこんな下がれるの?ってくらい下がってます。
純粋だし、良い人だし、つまらないし、頼りないし、でも良い人って感じで、コリン・ファレルさんを観てるだけで、もう何もいらねえやってなるのは私だけではないはずです。

我が推しのバリー・コーガンさんもいいですよ。
彼は島の中で、バカにされている存在。
しかし唯一の何も持とうとしない存在。
違う目線を持つ存在。
コリン・ファレルさんとのツーショットも最高で、このコンビだけで違う作品観てみたいくらい。

物語は閉鎖的な島で起こっていく。
対岸では内戦が起こっているけど、こちらの島は平和ボケ真っ最中といった感じ。
昨日まで仲良かった親友から、口を聞きたくないと一方的に急に言われる。

なんか悪いことしたっけ?、何も覚えがないんだけど、そんな経験したことありませんか?
本作は訳わからないなりに仲直りしようと試みるも、完全にお断りされるのです。

ん?なんか最近似た経験したな。
そうそう、仕事でしたんだ。
仕事で一方的に頓珍漢なこと言われて、一方的に言いたいことだけ言われとんずらされたな。
あれ?なんか嫌なことを思い出してきたな。
そんな嫌なことから退避すべく私は映画を観るのです。

本作は掘れば掘るほど、いろんな味わいなり見え方ができる類の作品だと思うのだけど、いかんせんパンフが完売(3回買いに行ったのに3回とも完売、というか生産終了のようなこと言われた)だったので、いつもの補完ができないんですね。
でも町山智浩さんの解説動画でかなり補えるかと思います(町山さんの説には、なるほど!と思いましたのでご興味あれば是非!)。

なので、私なりに感じたことをさらりと続けていきます。

2人の会話劇がとにかく面白い。
この2人の会話に聞き耳をたてているだけで、くすりときます。
よく街中でいちゃこら喧嘩してる人たちいるじゃないですか。そんな感じ。

いろんなジャンルを横断していきます。
これが面白いんですよね。
田舎ほのぼの系?、家族もの?、友人もの?、教訓もの?、サスペンス?、、といろんなジャンルを横断していくので、そのへんはさすがはマーティン・マクドナーさんですよね。

味わいがある作品です。
とにかく登場人物たちが魅力的、どの登場人物目線で見るかによって変わる、ぼけーと見惚れるシーンあり、これってこんな解釈でよろしいんでしょうか?と各自お任せもあり、ロバかわいい、、とかとか。
様々な味わいを感じながら、観て感じて、そんなことができるのが本作です。

静かな夜に観るのが、おすすめかも。
てっちゃん

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