ウーピーブロンズバーグ

イニシェリン島の精霊のウーピーブロンズバーグのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.6
 おじさん同士のこじれあいが激化しその様子を対岸のアイルランド内戦と重ねる。それだけでなく分断の時代である現代まで表している。
 砲撃音が少しずつ、着実に主人公2人の溝を深める。落とし所はないのか…と思ってしまうが紛争も戦争も始まりは小さな火種なのだろう。そんないざこざを嘲笑うかのような動物たちのショットが印象的。失った悲しみや良心に寄り添うのは人でなく動物たちであった。
 今作でもコリン・ファレルの八の字眉毛はご健在。今までで一番情けない表情に見えた(ラストを除いて)。眉毛だけで演じるってすごい…。バリー・コーガンも相変わらず不気味というか変わり者の役がピカイチだった。