Maki

イニシェリン島の精霊のMakiのネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

長年の親友から絶交された男がどんどん取り返しがつかなくなっていく話😣

パードリックは素朴で優しい人(鈍い人、もしくは気づかない幸運な人ともいう)
コルムは俺の人生これでいいのか?を拗らせて暴走した人。
コルムの想いはわからないでもない。
パードリックよりかなり年上で、人生の終わりを考えたらこれでいいのか?と思うのは自然だと思う。あんなイカれた閉鎖的な島ならなおさら。
でもやってることが一番あかんのがコルムだよなぁ…😨
音楽や思索に没頭したいと言いながら、楽器弾く人が指切り落とすって…😨😨
何がしたいの?ってなる。
すべての指を切り落とした手を晒して楽器を弾く音大生と一緒にいるシーンはただのホラーだから😨
音大生たち気の毒😣😣
つまり、俺が生きる世界はここじゃない!ってのを拗らせて爆発し、それをパードリックにぶつけてるだけで、イカれたおっさんにしか見えない。

パードリックは愚鈍故に無邪気(無神経)にコルムに向き合おうとするけど、このせいでどんどん優しさを失っていく。
あの音大生への嘘はなぁ…
多分普段のパードリックならドミニクが父親に何されてるかをパブでは言わなかったはず。
でも酔って頭に血が上ってたから言っちゃった。
ドミニクの自殺の遠因はパードリックにもあると思う。
しかも「足を滑らせたんだろう」というパードリックが鳥肌ものだった。
気付かない人は、いつまでも理解しない。
もちろんシモーンとのやりとりや、パードリックに対する失望、閉鎖的な島や虐待する父親から遠くに行ったのだろうけど…
バリー・コーガンは最高。
見下され、酷い扱いをされているシモーンとドミニクが実は一番まともだと思う。
だから対象的な二人の行く末が…😭😭
シモーンは島を出て大正解だった。
去っていくシモーンの眩しいイエローのコート!
清々しいのに、最後までフォーカスされない黒い影が不吉。
そしてジェニーが死んだことでさらに取り返しがつかないことに。

動物に対する優しさは残っているけれど、もういいヤツではないパードリック。
あのラストも色々想像の余地があって、不穏さが見終わっても続く。
おっさん二人のしょうもないケンカがだんだん大事になり、落とし所が掴めないっていう…つまりこれはブラックコメディでいいのかな?😅

マクドナー監督はコリン・ファレルを困り顔にすることが快感なのかな?(笑)
この人の脚本は本当に予想もしないところに着地する。
好き!(笑)

見られてよかった👍
Maki

Maki