ゆりな

イニシェリン島の精霊のゆりなのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.7
おっさん同士の喧嘩が内戦に発展する話。
最初は本土で内戦してるんだけど、段々それどころじゃなく、こっちが内戦じゃんね。
そして、ロバが可愛い。

これ解説なくして全く分からない映画で、町山智浩の推測だと「このまま仲良いと同性愛者のようで神に背くから」とのこと、なるほど。

インタビューでは監督曰く「恋愛関係の別れを描いた」。分かるよ、分かる。
だって急にコルム(ブレンダン・グリーソン)に突き放されたパードック(コリン・ファレル)は、突然振られた彼女のようなものだったもの。
なんでなんで?って理由も分からず、私も振られた彼女みたいな気持ちで感情移入して見ちゃったから、監督がそう言っていてよかった。

困り眉のパードックが最初は頼りないその辺にいる中年だったのに、終盤いつものアクション俳優顔になっていて、さすがだなと。

北野武の影響を受けているそうで、なるほど。指が切れるグロいシーンも、武映画っぽいコミカルさ。
実際だったら出血死してしまうであろうところも、ゾンビ映画みたいにクレイジー。

アイルランド人の俳優で固めたところ、私には完全に理解できないマーティン・マクドナー監督の魅力、これらが映画好きに評価されるのも分かる。
「スリー・ビルボード」も好きだったので、また新作出たら追って、解説読むんだろうな。
ゆりな

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