諏訪

イニシェリン島の精霊の諏訪のレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.2
物凄い閉塞感。雄大で美しい景色と、その景色の中で繰り広げられる狭くて鬱屈した人間関係の対比がグロい。

コルムがパードリックを嫌がるのもわからなくはないけど、自分にはどっちもどっちに見えた。「残りの人生は音楽に費やしたい」とか言うけど、本当に好きなことでライフワークと言えるようなものだったら他人がどうとか関係なく、普通に自分の生活の中に在るものじゃないかな……。

パードリックが「典型的な田舎のおじさん」だとしたらコルムは「ちょっと教養のある(つもりの)田舎のおじさん」で、それくらいの違いしか感じない。むしろ仲違いしたのに最終的に同じ狂気を共有し出したの「やっぱり仲良いんじゃん」くらいの気持ち。

なんならあの島で正気だったの、シボーンとドミニクだけじゃないか?

ドミニクが最初に見つけてきた「なんか引っかける棒」が最後に使われてきたのゾッとしたし、あとあの島には子どもが戯れてる姿とか一切見えないのもしんどかった。
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