昨日まで仲が良かった親友に突然「お前のことが嫌いになった」と言われ、理由を聞けば「退屈だから」と、話し合いたくても切った指を投げつけられ………潔いくらいの理不尽さで、観客側の自分ですら混乱してしまう。
平和とはいえ閉塞的な島で“退屈な話を聞かされること”は、コルムにとって指を切ることよりも苦痛だったのだろうか。
何を描きたいのか汲み取るのは難しかったが、キャスト陣の演技は素晴らしいし、真意はわからずとも映画全体の雰囲気としてクオリティが高く楽しめた。
パードリックが警官に殴られてコルムに助けられた後に馬車で泣き始めるシーン、良かったなぁ…コリン・ファレルの愛らしさが活きてて。(終始そうではあるが)
コリン・ファレルのファンとしては満足。
ー追記ー
同じくDisney+で観れる特典映像がよかった。
監督がこの作品に乗せたかった想いを聞くことができるし、作中で仲違いしてた2人が笑い合ってる瞬間も見れてホッとする。動物たちの演技についての話が聞けたのもよかった。
監督が「現代の話にしたくなかった」と言っていて、今作にとって内戦下のあの時代であることが重要であり、象徴でもあることがわかる。
最後に「観客を悲しませたかった」と言っていたのが印象的だった。
観ていた時は混乱したけど、何よりも人間らしさを描いてるのだと今は思う。
ここで色んな方の感想を見て、SCREEN ONLINEの監督のインタビューを読むと、答え合わせをしてるようで面白かった。
監督の意図は十分に作用してる。
