島民全員が顔見知りであるアイルランドの孤島を舞台に、親友同士の男たちの間で起こる絶縁騒動を描く。
民族の歴史の暗喩もあるのでしょうが、人と人が関わる以上は切り話せないテーマが描かれ、興味深く鑑賞した。
若い頃のやんちゃでブイブイ言わせてたイメージは全く感じさせず、ちょっと情けない退屈な中年男をコリン・ファレルが見事に演じる。
田舎の閉塞感、大した娯楽も無く、噂話とただただ同じ様な日常を繰り返すだけの毎日。
親友だと思っていた相手に突然断捨離されてしまったら…
仲良しに見える2人、相手と常に一緒にべったりいる事と、相手を尊重して理解し合う事は、全く別モノ。
きっかけは些細なことであったのかもしれないが、気付いてしまった以上、もう続けるのは難しい。 これまで身の回りでもあった様な聞いたことある様なお話し。
根底に情があるが故に、考え方の相違で出来た亀裂は最初は小さくても面倒くさい展開になってしまう。
人として常識の範囲で優しくは出来ても、これ以上付き合うのはムリな事。
愛憎劇は、ほんの些細な「すれ違い」から悶絶し葛藤し絶望し、やがて憎しみに発展してしまうのでしょう。 一人一人は善良な市民だけど、交わることが無い決定的な人生観の相違。 ズレが気になったのは片一方だけだった。
深いな。
アイルランドの風景が美しかった。
