crn

イニシェリン島の精霊のcrnのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0
不可解さと不快さと、それなのに既知の感覚や共感も呼び起こされる。不思議で静かに衝撃的な作品。唯一無二な感覚に陥る。

良い人であったはずの主人公が、実は貪瞋痴のかたまりであったということ。執着の方向を変えただけであった親友、三毒から自主的に距離をとった妹、真理は見えても力の足りなかった隣人、そのような人間世界に只々存在することを続ける動物たち。パードリックとコルムは、ある意味では鏡写しで、彼岸の戦争とも相似なのかも。そして孤島と外の世界に共通するものは、普遍的なものなのかも。
crn

crn