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イニシェリン島の精霊のsammyのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.8
不思議な雰囲気の映画。
北欧を舞台にした映画といえばざっと思い出しても 「フィオナの海(1994)」、「奇跡の海(1996)」、「デビル(1997)」とかあるけど
どれも独特の雰囲気というか物悲しさがあっていい感じですね。
この「イニシェリン島の精霊」も例外ではなく、お話の不条理さも相まってなんとも言えない雰囲気を醸し出してます。

舞台は1923年のアイルランドということでその頃のアイルランド内戦について調べてみました。
今まで長い間統治国家であるイギリスと共闘していたのに
ある日敵味方に分かれて内戦が始まるというのはパードリックとコルムそのものなんですね。

さすが「スリービルボード」のマーティン•マクドナー監督。
何度も和解しそうになりながら、時にはコルムも優しさを見せたりするのに、結局和解しないというギリギリの感じ。
これ笑っていいの?って思いながら最後まで飽きずに観られました。
妹のシボーンとアホなドミニクのキャラも良かったです。

お話自体は分かりやすいのに、なんとなく尺然としない、なぜコルムがああまでして絶縁を突きつけたか最後まで答えが提示されない…こういう映画はモヤモヤして好みです。
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