人生は退屈でいいのか。退屈から脱するには友情を捨てる覚悟が必要なのか。
序盤は主人公に共感し、なぜ友人に嫌われたのか、自分が悪いことをしたのかと考え、答えがないことから憤りも感じたが、中盤以降、主人公の人としての弱さや良くない点も見えてきてからは、「2人のドラマ」の作品として成立して、どっちの気持ちもわかるがどっちも正しいとは言えない、という気まずさを味わった。
どちらの主張も根本的な部分は理解できるのだが、それを実行するための決意の固さゆえに過剰な行動に出るのがショッキングで、それのやり返しの繰り返しになっていく様子は悲劇的だった。
陰鬱で絶妙な後味を体験できる映画だった。
島全体を映すカットや、友人の家周辺のカットなど、広い画は作品世界の表現として良くできてた。離島という閉鎖的で質素な世界を表現できていたのは、広い画と本土での内戦という設定だと思う。
