かじドゥンドゥン

シーフォーミーのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

シーフォーミー(2021年製作の映画)
3.0
将来有望なスキー選手だったが、視力を失い、競技を断念して、すっかり腐っている少女ソフィ。彼女はベビーシッターとして富豪宅に雇われると、障がい者であることを隠れ蓑にして、金目のものを盗み出し、貯えとしている。

そして今回は猫シッターとして、郊外の豪邸で泊まり込みの仕事。スマホのビデオ通話を利用して彼女の目の代わりとなり、盗みを手助けしてくれていた相棒のカムが、これ以上悪事に荷担できないと言い出して、二人はケンカ別れ。その日の夜、屋敷のテレビ裏の壁に隠された金庫の金目当てに、3人の男が侵入。カムの力を借りたくないソフィは、母から紹介されたアプリ「see for me」を利用し、ボランティアのヘルパーとビデオ通話しながら、強盗と対決することになる。たまたまヘルパーとして着信したのは、元軍人で現在はオンラインシューティングゲームの名手。彼女の指示に従って、3人の男とその雇い主を始末したソフィは、まんまと大金までせしめて、盲人スキーヤーとしてスタートを切るための支度金を得たのだった。

身体的ハンディを負う主人公が、〈障がい者が犯罪に手を染めるわけはない〉という世間のバイアスを利用して、盗みを続けるという話で、これは視聴者の先入観をも浮き彫りにした上で挫いてみせている。凡庸なスリル映画ではあったが、上の点では攻めた作品か。