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BLUE GIANTのadagietteのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.5
ジャズプレイヤーとして身を立てんとする 宮本大と そのコンボ仲間を描くコテコテの青春モノ。
ほぼ独学でサックスを学び、ユニークな音を持つ大。
ピアノ教師の母を持ち 物心ついたころからジャズに魅了されてひたすら頂上を目指す雪祈。
ヌルい大学生活に戸惑う中 まっすぐにジャズ道を進む大に触発され ドラムを始める玉田。
目指すはジャズの殿堂 So Blue..... 南青山の Blue Note TOKYO がモデルですね。系列の丸の内 Cotton Club なども登場し、リアルな背景になっている。

まっすぐで懸命で 素晴らしい、だけなのだが 作品として成り立ってしまっている。
ジャズへの情熱と天与の才、各人が持つかすかな違いを、周囲の人の視点を取り混ぜて丁寧に描き出しているところが得点ポイントか。

もちろん 本作は映画にすることで、音を得ている。
コロナ禍の Blue Note Tokyo をその演奏で支え抜いた 上原ひろみ氏 が担当している。 それだけでもう めちゃめちゃエモい!
Sax 馬場智章氏 Dr.石若駿氏という スゴメンが音をあてている。それもサワリだけとかじゃない、ちゃんとまるまる演奏してくれる。
率直に言って、演奏シーンだけで価値のある作品、でしょう。

もちろん Dolby Atmosが入ってるスクリーンで観たんですが、当然のように満席。映画で満席って 久しぶりだったわ......

最後は ラヴェルの左手、ならぬ ウエハラの左手........
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