豚アーニャ

BLUE GIANTの豚アーニャのネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まず自分が原作厨で、BLUEGIANTのマンガを葬式で一緒に燃やしてほしいぐらい好きということから書く。

どうやって始まるんだろうとスクリーンを眺め、大晦日から始まったのと、大が動いてる感動と、「3巻分短縮するんかい」という色んな意味で泣きながら笑ってた。
上京するまでと玉田の初登場と練習場所の陸橋を見つけるまでを詳しく描いたのはなるほど初めて見た人には良い演出だなと思った。個人的に原作者である石塚真一先生はマンガにおける「間で訴えかけてくる言葉がいらないマンガ」の天才だと思ってるので、こういうことを映画という媒体で伝えようとしてるんだなという姿勢で見れた。

映画の演出と漫画の演出が違うのは承知。雪祈の初登場も川北さんと併せるのかとか「ずっとあの姿勢」が無いことに違和感はありつつも、雪祈のピアノ、上原ひろみさんが弾いてると思うと震えた。
TWOで雪祈とアキコさんの前で初めて大が演奏してるシーンは泣いた。あそこのシーンは大が「音に全部乗せる」を表現したと思って映画だからこそ出来る表現に嗚咽。過去を写すシーンで1〜3巻の回想を載せてくの、めちゃくちゃ良かった。しかし回想に三輪さんも先生もバーナムもいない。ということは劇中歌で「バーナムラブ」はやらないんだなと思った。サントラにバーナムラブが入ってなかったから薄々思ってたからちょっと肩落ちした。雪祈が大のサックスに「どれだけ吹き込んできたんだ」と泣くシーン。俺も泣いた。

玉田がサッカーを辞めて橋の下で大に会って渡した差し入れ。原作の時は同じ内容のが別シーンで渡されるから、原作と変更しながらも大事にしてるんだなと思った。あとセリフも加えられてた。
ドラム教室が数分で終わってた。
玉田が8ビートを叩けるようになったシーンで雪祈の悪者感すら感じさせる雰囲気が思ったよりも少なかった。
初ライブが音が流れてきて泣いた。玉田がズタボロになるシーン。玉田のズタボロ感がめちゃくちゃ伝わったし、その後の雪祈が大に「いっぺん死ねよ」ってセリフがあったの良かった。玉田の陸橋のシーンから号泣。涙出てスクリーンが見えなかった。ここまでで大分泣いた。
強いて言えば冷たさすら感じさせる雪祈が貧乏なのにバイト入れまくってチケットの高いSOBLUEの1番安い席に毎週頑張って通って手すりをピアノに見立てて弾くシーンがあったらまた泣いてたと思う。

ここらへんから時系列がちょっと変わった気がする。
ライブを増やしてフェスに呼ばれて天沼と話すシーン。雪祈ではなく大が出てたのは、単に大が主人公だからだったからなのか。よく考えたらBLUEGIANTシリーズでの代表者としての役割は常に大だったけど、唯一、大と関わる人間が代表となって描かれるシーンなので、雪祈はBLUEGIANTの2人目の主人公なんだなと改めて思い目が潤む。
フェスの玉田のドラムソロが省かれてたのは絶対あそこで使うんだなと思った。鳥肌立つほど良かったのを省くわけがない。天沼は結局嫌な先輩感出して終わったのなんかおもしろかった。

雪祈がアオイちゃんの話をする時。あそこもちょっとセリフ付け加えられてたな。
自分を見直し始めるタイミングでアオイちゃんに会うからどんなんなるんだろと思ったら会わなかった。会ったら泣いてた。

平がライブを見にきて雪祈がズタボロになるシーン。見てるのキツかったなー。
そのちょい前にどんどん人気が出て人に囲まれてる大を遠巻きに見てる玉田に「ドンドン良くなる君のドラムを聞きに来てるんだ」と言うおっさんのシーン差し込まれてて詰め込み過ぎ感あった。別シーンでサラッと出されてたら泣いてた。マンガ読んでも泣いた。

雪祈がTWOで丸2日ピアノを弾き続けた後にアキコさんと話すシーン。
「弾けませんでした」の後に追加で会話が入ってたりするのは映画ならではだなと思った。
金田豆腐店は泣いた。雪祈が金田豆腐店のおっさんを眺めながら思う言葉が映画ではなかったけど、マンガのセリフがそのまま脳内再生されて泣いた。

雪祈が家に玉田と大を呼ぶシーンは映画オリジナル。あそこで3人のバンドに対する立ち位置をハッキリとした言葉で良かった。玉田…。
平と大が会話するシーンで「雪祈なら大丈夫です」って言ってたのがちゃんと写ってた。あそこは割と重要なんじゃないかと思ってた。

内臓をひっくり返すソロ。雪祈の心境が全然セリフに出てこなくて、それは演奏に全てを込めるからって意味なんだろうな。その後、読者だったら全員泣くであろうトイレのシーン。省くんかい。あったら泣いてた。

1番世話になった人に伝えるのが筋
ってアキコさんにSOBLUE出演の話をしてアキコさんが声を出さず泣くシーン。アキコさんの「ジャズを信じてたつもりが、あの子たちのほうが信じてたのかしら。」ってセリフ無いなと思いながら号泣した。めちゃくちゃ良いシーンだった。思い出した今も目が潤む。

雪祈の事故の絶望感、ちゃんと描かれてた。その後の無力感も、2人を見たSOBLUEのスタッフも。
最後のライブで師匠やバーのじいさんとか雪祈の大学の先輩とかアオイちゃんとか、いろんな人集まってた。映画っぽい。
「N.E.W」でライブが始まって、観客が見てるみたいな、やるしかない状況の追い詰められたバンドが出す雰囲気のライブを味わえた気がした。もう泣いてる。絶対ここで来ると思った玉田のドラムソロ。バスドラだけなり始めて泣きがブーストした。内臓ひっくり返す意思が被って見えちゃうだろと思いつつ泣いた。
兄貴に焦点が当たった時、深夜のスーパーに家族を呼んで演奏会をした大の回想が出て嗚咽した。映画のこういうところ最高。
ライブが終わってあとはラストと思ったら雪祈が来た。意味わかんなかった。日本で1番クールな長野県民である雪祈はいなくなったと思ったし、「俺たち最高だな」の世紀に残せる名シーンが全く意味変わってしまって、ここから俺の知ってるBLUEGIANTでは無くなったと思って涙全部引っ込んだ。アンコールのシーン、めちゃくちゃ力入ってたしフル尺の「N.E.W」聞いてたけど頭に入ってこなかった。

今まで見てきた映画の中で1番泣いた。
余計だけど、BLUEGIANTが好きになれない人とは気が合わない。自分が好きだと思ったことは絶対間違いなく自分の好きなんだなと思った。
豚アーニャ

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