kkkのk太郎

BLUE GIANTのkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ジャズに命を賭ける青年たちの姿を描いた青春音楽映画。

仙台出身のテナーサックス・プレイヤー、宮本大を演じるのは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』『万引き家族』の山田裕貴。
クールなピアニスト、沢辺雪祈を演じるのは『帝一の國』『翔んで埼玉』の間宮祥太朗。
大の友人で初心者ドラマー、玉田俊二を演じるのは『セトウツミ』『帝一の國』の岡山天音。

ー以下、「ソーブルー」平さんの評。ー

声優。
彼らは初心者ですね。
アドリブもなく、ただ必要最低限を演じる。がー
一生懸命演じてはいた。技術不足だけど好感が持てるアクトでした。

作画。
面白いと思いました。
全力で前に出ようとする強さが絵にあるし。
演出も独特でアタックしてくる太さがある。
面白い…作監の将来は気になるな。

3Dアニメーション。
全然ダメだ。
小手先の技術の連続。鼻につく演出。
面白くない。
何一つ面白くない3DCG。
このアニメの3DCGは、つまらない。
『BLUE GIANT』は日本一の漫画と自負してるんだが、君、バカにしてないか?
バカにしていないとしたら、なぜ本当のアニメーションをやれてない?
君は、おくびょうか?
調子に乗って、それで良いと思ってるのか?
全力で自分をさらけ出す、それがアニメーションだろ。
内臓をひっくり返すくらい自分をさらけ出すのがアニメーションだろ。
君はアニメーションができないのか?
ーーーーーー

うーん、さすが平さん。厳しい意見ですね〜🤨
まぁでも、私も大体こういう感じの感想ですハイ。

原作は「ビッグコミック」連載の同名漫画。
第一部(仙台編&東京編)、第二部(ヨーロッパ編)、第三部(アメリカ編)と続く、現在でも絶賛連載中の大人気作品であります。

本作はその東京編(4〜10巻)をアニメ映画化。
この漫画の人気を決定づけた、一番面白いパートっすね。
仙台編をすっ飛ばしているため、大のパーソナリティーが掴みづらくなっている印象はありましたが、物語の流れ的には違和感なし。
原作エピソードの取捨選択も上手く、単行本6.5巻分の情報がピッタリ2時間に綺麗に収められています。

ジャズがテーマの作品ということで、もちろん劇伴もジャズってます。
本作の音楽を担当したのは、グラミー賞受賞経験もあるスーパージャズピアニスト、上原ひろみ!✨
私は一度彼女の演奏を生で鑑賞しましたが、いやー凄かった!その時のドラマーが「TOTO」のサイモン・フィリップスで、これがまた良かった!!…が、今は関係ないですね^^;

「JASS」はオリジナルの楽曲をプレイするバンドだが、その楽曲を書き下ろしたのも上原ひろみさん。
「FIRST NOTE」や「N.E.W.」など、原作では想像するしかなかった楽曲が本当に聴こえてくるんだから、もうなんか感無量…🥲今すぐサントラが欲しい!アナログ盤で欲しい!!
上原ひろみさん作曲/演奏の楽曲を大音量で聴く、それだけでこの映画を観る価値は十分にあると思います🎶
…にしても、超絶技巧に加え作曲能力まで。天は二物を与えてんなあー。

上原ひろみさんの仕事は素晴らしい。
ただ、正直言ってアニメーションのクオリティの低さがその素晴らしさを曇らせている。
ジャスバンドの映画なんだから、当然ライブシーンこそがいちばんの見せ場。
そのライブシーンのアニメーションがとにかく酷い!酷すぎる!!
演奏シーンの作画が超大変なのはわかる。わかるけどさ、あのレベルの低すぎる3DCGはなんなんだい?PS2の映像かと思ったぞ。
大や雪祈、玉田が命懸けで演奏してるってのに、そこをあんな腑抜けた画で処理して良いと、本当に思ってんのか!?
たまに入る2D作画パートは、画のクオリティ、演出共に素晴らしいので、その高低差で余計に不快感が増す。
あんなヘボCGを使うくらいなら、例えば出崎統監督の演出を見習って、止め絵を多用するとか三回パンで処理するとか、なんかそういう工夫で乗り切って欲しかった。
正直、この映画の3DCGは劇場でかけちゃダメなレベルだよ…。

もう一点苦言を呈すと、「ソーブルー」での雪祈登場というサプライズ。
これ、原作にはない完全オリジナルな展開な訳だけどさ。あんなデカいトラックに轢かれてさ、右腕もバキバキに折れてさ、その翌日にライブできるわけないだろっ💦サイボーグかお前は!?
ご都合主義なお涙頂戴的展開をやっちゃったせいで、リアリティのあるドラマが一気に陳腐なものになっちゃった。
原作とは違う展開で既読の観客を驚かせようって意図はわかるけど、こういう改変が一番鼻につくんだよね🌀

総評としては、まぁ『BLUE GIANT』の映像化としては及第点かな?という感じ。
情報の取捨選択が上手い、とは言ったものの、やはり長期連載作品を2時間にまとめてしまうと無理も出てくる。
具体的に言うと、時間の経過がわかりづらい、というか忙しない。いつの間に1年経ったの?とか、あんだけ罵倒したのに心変わりするの早くないっすか平さん?とか、細かいところが気になってしまう。
音楽は素晴らしいので、この映画のサントラを聴きながら原作を読む、というのが『BLUE GIANT』を楽しむ一番の最適解かもね。

色々と苦言も呈したけど、エンドロールに入るタイミングは完璧♪✨
最高に気持ちの良いタイミングでスパッ!と終わってくれる。
この終わり方は、同じくジャズを取り扱ったデイミアン・チャゼル監督の映画『セッション』を参考にしたのかな?とにかく最高でした♪
…ただ、この終わり方が最高だっただけに、続編への布石のようなおまけ映像は蛇足だったかな…と、結局苦言になってしまった😅
それだけ原作が好きなんだもん。仕方ないね。
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