音の波に包まれて、気付けば彼らの演奏に熱狂している2時間。
大と雪祈と玉田、3人のジャズプレイヤーが、大舞台での演奏を目指すまでの物語。
特筆したいのはもちろん演奏シーンの臨場感。
映画館の環境もあるのだけど、自分も一人の観客としてその場にいるような感覚になる。
3人の演奏も最初はちゃんとバラバラで、音楽素人の私でも分かるくらい、個々の演奏がズレてる。
ただ、ズレてても凄いとわかる大と雪祈、そして初心者ながら血の滲むような努力でどんどん上達していく玉田の3人の演奏が段々揃ってきて、最終的に1つの音楽になる瞬間が何よりも気持ち良く、最高で素晴らしかった。
もちろんそれだけじゃなくて、終始自分のパフォーマンスと才能を疑わずサックスを吹き続ける大。
才能がありながらも大きな壁にぶつかり挫折を味わい、さらに大きく成長する雪祈。
天才二人と自分との技術の差に常々劣等感を抱きながらも、腐らず黙々と練習を続けた玉田。
3人それぞれのドラマもとても魅力的で、演奏シーンが全てではない、ストーリーにも惹き込まれるとても面白い作品だった。
