たわらさん

BLUE GIANTのたわらさんのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.3
リズミカルで心地良さを感じるジャズの中に確かな熱を帯びている聴く映画。odessa theatre×箱のサイズ的にJASSの演奏を直にライブハウスで聴いているかのような錯覚に陥る。

後に世界で輝く奏者であるだけに宮本大は上京した時点で完成されているので、変化の度合いは玉田に多く、彼関連のエピソードには心を動かされる。入れ替わるバンド、ソロパートの即興性、何が起こるか分からない運命の悪戯と、この刹那的な煌めきを追求する青春の美しさ。キャッチコピーの「二度とないこの瞬間を全力で鳴らせ」はよく言ったものであり、主役3人がジャズの即興性を体現しているよう。

近年の作品が作画が高水準なだけあって、3DCGが浮いてしまっており、大画面故に隠せない欠点になっている。目を閉じて音を楽しむだけでも問題ないだろうが、2D作画のエフェクトなどの演出が素晴らしいだけに勿体ない。本作こそに予算を回して、完全版を作るべきである。
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