じょにー

BLUE GIANTのじょにーのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.5
これはジャズの映画。そして人間の映画。人生の映画。
この映画を観ろ。もっと話題になれ。

この言い方してハードル上げ下げしてしまうのは本意じゃないんですが、自分が読んで今までで一番泣いた漫画の映画化です。音が聞こえてくると評された漫画が本当に音を出す日が来ましたね。
演奏シーンのCGはちょっと驚くくらい悪い出来だったものの、次第に気にならなくなりました。そういうことじゃない。物語の真のおもしろさって、そんなことじゃないんだ。ブルージャイアントを読んで教わったことを映画館で思い出させられた。
まあ、もう少し予算と時間があったら・・・?と思ってはしまうけどね。

玉田も雪祈も原作から増幅されキャラを厚くしたように感じた。そして大。その一言一句から揺るがない人間を感じて胸がぎゅっとなるあの感覚。どこまでも100%大が大だった。
原作を途中まで読んだ友達と、本作の魅力はやっぱり人にあると語り合った。作者の中でその人が確固たるその人としてそれぞれ生きてるのを感じる。それがぶつかり合って物語になる。お話として成立させる上で当たり前なんだけど物語の本質であり、それこそがこの作品のパワーなんですよ。とんでもない輝きを秘めた作品だなと再確認した。

原作からのアレンジもあり。ここは自分の中で賛否どちらでもあり、原作のネタバレなしに喋れないのでコメントで。
しかしよくコミックス10巻分を2時間にまとめてくれた。コミックスを読んでおくメリットは構成の丁寧さがわかるくらいかな?ただ仙台から上京するまでの期間がしっかり描かれるし、カットされた合間のシーンもたくさんある。いずれにせよ初見の感動を大事にしてほしいので好きな媒体から見てほしい。

ジャズは自由で、激しくて、青かった。
ちょっと今年良作多すぎるよ。
じょにー

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