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BLUE GIANTのGijoeGoのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.0
予備知識無しで鑑賞。
劇場アニメ作品として若干厳しい作画の部分はあるがそれ以外は総じて高レベル。

まず話が面白いのとキャラクターが魅力的なのでグイグイ引き込まれる。
漫画ならではの演奏能力の飛躍な部分はあるがそれでもシナリオとテンポが良いので次々展開していく小気味よさまさにJAZZのドライブ感の如く。

登場人物のそれぞれのソロパートがありセッションあり真剣なぶつかり合いが音楽と共に高みへと連れていってくれる。

作画演奏を全てのシーンでやるのはさすがに厳しいのでモーションキャプチャーによる3DCGなのだがパートによってレベルのばらつきが酷い。
しかしそれを上回る神作画による演奏カットが所々挿入されるので耐えられる。

JASSの3人のアフレコをプロの声優でなく役者にやらせてるのも良かった。上手すぎない絶妙な芝居がJAZZに対して必死に喰らいつく主人公達とリンクして奇跡的なバランス。

膨大なカット数の演奏シーンが凄まじい。3Dモデリングされたライブ会場内を縦横無尽に動くカメラ、ライブアクション作画のドラムソロ、アニメならではのイマジネーションカット、色彩感あふれるカットがあるかと思ったら荒々しいモノクロ線画のカットが豊かな音色と共に変化してドラッギーな中毒性があり素晴らしい。

JAZZと聞くと子難しいイメージがあったが、それを吹っ飛ばす体感する楽しさを全面に出して青春ヒストリー的なストーリーテリングがJAZZ初心者にもすんなり受け入れられる戦略が見事。

青春時代の危うさ、障害をさほど深刻に描かないさじ加減も絶妙。気持ちよく映画館を出て行ける傑作。

劇場パンフレットがアナログLPレコードのサイズでケースと中身で別れてるのも非常に凝ってて良い。
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